2009年11月03日

ドラフト”演出”改革案

先日のドラフト会議では、長い歴史で初めて一般のファンが会場に招待されました。
そして、抽選箱は手の動きがわかるように半透明に変貌。
6球団競合となった菊池雄星のクジを西武渡辺監督が引き当てたときには歓声が上がり、
直後には監督への勝利(?)インタビューもありました。

かつてのドラフトにはなかった新鮮な光景。
以前は、静寂の中で体格の良い大人が小さくガッツポーズするだけという、
どこか不気味かつ地味なものでもありました。
今回の変化はまだまだ小さなものとはいえ、
日本球界にとって前向きなものであると感じます。

また、今年は地上波の放送も復活し、あの時間帯では異例の高視聴率を叩き出したようです。
これは、逆指名や希望枠、分離ドラフトといった制度がなくなり、
ようやく見る側にも魅力あるコンテンツに復活したという証明でもあるでしょう。

来年以降も観客を入れて劇場化していくそうですが、
今後どういった演出が加わっていくのか。

・ドラフトの本場から学ぶ

華やかなドラフトで思い浮かぶのはアメリカ。
4大スポーツどれも大規模なドラフトを開催していますが、
個人的に最も印象に強く残っているのはNBAです。
大きな会場にステージが用意され、
上位指名される選手を家族と共に会場に招き、さながらアカデミー賞授賞式。
指名が確定すれば、観客席から大歓声が沸き、
選手は入団するチームの帽子をかぶって壇上に上がり、
コミッショナーと握手して、プロ入りを祝福される。

日本がいきなりここまでショーアップしろとは言いません。
少しずつ意見を取り入れて盛り上げていけばいいでしょう。
むしろここで注目したいのは華美な演出ではなく、
コミッショナーと握手するという行為です。
実はこれが最も重要ではないのかとも思えます。

日本のドラフトといえば、指名が決まれば、
「あとは球団と個々の選手が勝手に契約してね」といった感じでしたが、
一つ、握手のシーンを挟むだけで、その印象は変わるはず。
プロ野球機構のトップであるコミッショナーと選手が二人きりの画に収まることで、
所属球団だけでなくNPBに所属するという形を強調することができます。
そうすることで、ファンはどの球団に入団する選手に対しても歓迎、祝福できるでしょうし、
選手自身、自然と球界全体を盛り上げようという気持ちにもなるでしょう。
希望球団以外の指名を拒否する選手も減るかもしれません。

そしてなにより、メジャー流出を叫ばれている今だからこそ、
実現してもらいたいことでもあります。
ドラフトを拒否して渡米した選手にペナルティを与えることで流出を防ごうとするよりも、
お互い支えあって盛り上げていく姿勢を示し続けることこそが大事でしょう。
北風より太陽。

・まずは休日開催

もちろん選手を会場に招くのは簡単なことではないでしょう。
それでも、指名確実で12球団OKの選手であれば不可能ではない気もします。
(テレビ的には、当落線上の選手であったり、
希望球団を明言している選手の方がドラマがあって旨味があるのでしょうが)

選手を招く上で、まず求められるのは、休日に開催することでしょう。
これまでドラフト会議は平日の昼間から夕方に開催されてきましたが、
選手はそれぞれ学校や仕事があるため、それでは呼ぶことなど不可能。
いや、なによりファンの立場としても、
仕事や学校がある人はリアルタイムで見ることが難しいのが実情です。

個人的な話になりますが、
自分の学生時代、学校で唯一地上波の映るテレビがある理科室で、
こっそりドラフトを見た記憶があります。
ワンセグの携帯もない時代、映像をリアルタイムで見るのは難しいことでした。
やはり結果を後から知るのでは、抽選の緊張感も何もありませんし、
会場にファンを招くことを考えても、休日開催にすることは必須ではないでしょうか。

たしかに近年はクライマックスシリーズも加わり、
週末はどうしてもプレーオフの日程に割かれてしまうかもしれませんが、
なんとか調整してもらいたいところです。
posted by コービー at 21:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 小論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月30日

ドラフト2009

1巡目 今村 猛 投手 (長崎県立清峰高等学校)
2巡目 堂林 翔太 内野手 (中京大学附属中京高等学校)
3巡目 武内 久士 投手 (法政大学)
4巡目 庄司 隼人 内野手 (常葉学園橘高等学校)
5巡目 伊東 昂太 投手 (盛岡大学附属高等学校)
6巡目 川口 盛外 投手 (王子製紙株式会社)
育成1位 永川 光浩 投手 (龍谷大学)
育成2位 中村 亘佑 捕手 (横浜商科大学高等学校)

高校生が多く、素材重視という印象です。
大学生である3巡目の武内もまだまだ荒削りな部分があるようなので、
即戦力として考えているのは6巡目の川口ぐらいでしょうか。

来季は現存の戦力を新監督が見極める年ということで、
シーズンを戦う中で不足する部分が鮮明に見えてくれば、
次のドラフトで即戦力を補強する方向でしょう。

それにしても春夏の甲子園優勝投手が入団とは、華があります。
菊池投手がセリーグに入団していれば、
プロ入り後の彼らの対戦がまた注目されたのでしょうが、
まぁ、ライバルチームの戦力が上がるのも喜ばしいことではないですから。
交流戦で投げてくれることを楽しみにしていましょう。

1巡目今村。
完成度の高い投手であり、
前田健のように1年目は2軍のローテーションで投げさせ、
2年目あたりから1軍で、というのが現実的なプランでしょうか。

2巡目堂林。
将来のクリーンアップ候補。
栗原の後釜候補として、サードあたりでじっくり育てるような気がします。

3巡目武内。
速球を武器とするセットアッパータイプ。
おそらく課題は制球力でしょうから、大野投手コーチの手腕が早速試されます。

4巡目庄司。
175cmと小兵ながらセンスの感じさせる選手。
高校時代は投手もしていましたが、球団は内野手として指名しました。
東出や梵といった選手の後継者として育成するでしょうか。
そして、カープの選手らしからぬ(失礼)イケメンです。女性ファンは要注目。

5巡目伊東は、将来的な左腕エースとして育成、
6巡目川口は、左の中継ぎの即戦力と考えているのでしょう。

育成枠1巡目では、永川の弟を指名しました。
身長189cmと兄と同じく大柄であり、左腕ということも大きな材料です。
兄弟が左右の両輪で活躍するとなると、どこか漫画のようでもありますが、
それが現実となるかもしれません。

育成枠2巡目の中村は捕手。
入団テストに合格したことからも、身体能力の高さが窺えます。
まずは捕手としての技術をどれだけ身につけられるかでしょう。


ちょっと話は逸れますが、
今回は東海地方色の強いドラフトとなりました。
中京大中京の堂林、常葉橘の庄司と静岡高校出身の川口。

愛知はプロ選手を多く輩出している県ではあるのですが、
中日のお膝元ということもあり、カープでは珍しい感じがします。
それでも「早くから評価してくれて、一番行きたかった球団」と、
堂林本人が言ってくれているのは嬉しい限り。

静岡に関しては、サッカーどころということもあるのか、
決してプロ野球選手が多い県ではないのですが、
一気に2人の指名ということになりました。
カープでは林が同郷の先輩ということになるので、
良い兄貴分になってあげてください。
posted by コービー at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 編成 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月28日

ブラウン政権総括(6)

・外国人に監督を頼んだ意義

広島にとって、初優勝の礎を築いたとも言われるジョー・ルーツ以来の外国人指揮官。
前回までに挙げたように、やはり日本人監督とは違った采配になりました。

日本の野球とアメリカの野球、単純に優劣つくものではありません。
ただ、我々はどうしても日本の物差しで野球を測ってしまいがちです。
そのことが安易な批判につながったのも事実でしょう。

もちろん日本の選手に合った方法論が存在することも否定できません。
その点ではブラウン監督自身も日本野球に適応しようとしたと思います。
しかし、やはり長年培ってきた野球観を簡単に拭い去ることはできなかった。
海を渡った松坂がメジャー式の球数制限や練習方法に苦労しているように、
頑固に見えるブラウン監督にも、少なくない葛藤があったはずです。

そもそも球団から監督を要請した以上、
彼の哲学を覆すような采配を求めるのは無理があったといえるかもしれません。
日本らしい野球を求めるのならば、
日本人に監督を要請すべきだったという話になるわけですから。

在任期間中にAクラス入りすることは叶わず、たしかに結果は出ませんでした。
しかし一方で、4年前にシーズンを最下位で終えたチームが、
黒田、新井といった主力が抜けた中でも2年連続で3位争いに加わった事実は、
一定の評価がなされるべきでしょう。
また、猛練習、根性論といった、どこか前近代的な空気が色濃く残っていた球団に、
新しい価値観を持ち込んでくれたことは、大きな意味があったと思います。

そして、来季以降、ある程度期待が持てる状態で、
次の監督にバトンを渡してくれたことについても、マーティーには素直に感謝したい。
こんな感じで総括を締めたいと思います。
posted by コービー at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 総括 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする